■始まりは
昼顔の始まりは、そもそもどこだったか…。
とにかく、斎藤さんは、お酒が好きで、毎日、のみに出ていた。
単身赴任で知り合いが誰もいなかったのに、赴任して1ヶ月もする頃には、行きつけの居酒屋さんも、飲み仲間もたくさんできていた。
私が勝手に抱いていた都会の人のイメージ…
それは、ツンとすましていて、どこか、目線が必ず上からみてるような…。
田舎者を小馬鹿にしている…
絶対に自分は、こんな田舎の連中とは、馴染まないぞー!みたいな。
だけど、斎藤さんは違っていた。
すぐに、お友達もたくさん、
部下の人には、親しげに話しかける、場を和ませるために、気を使っている。
仕事に関しては、相変わらず、納得できない、いい加減さを持っていたけど、人懐っこい性格は、プライベートでは、いままで、私の周りにはいないタイプの人だった。
私がそんな表情を見かけるようになったのは、田神さんの事をあまり考えないようになってきた頃だった。
※読んでいただき、ありがとうございました。