昼顔妻の七転び八起き

昼顔生活🌺5475日間

■会社の飲み会で

定期的に行われていた会社の飲み会。

私も、気分転換によく参加していた。

田神さんがいなくなって、初の飲み会の時…。

どことなく、寂しくてそれが表情に表れてしまったのかもしれない。

順番に、ビールをついで回っていた斎藤さんが、私のところにもやってきて…

『のんでるかー?』
と声をかけた。

私は、適当に流すつもりで、『飲んでますよー』と返事し、彼が次に移るのを待っていた。


だけど、何故か、斎藤さんは私の隣にドンと座り込み、そのまま飲み始めてしまった。


私は…。

内心、面倒くさいなあ〜と思いつつ、横に座った斎藤さんの相手をすることになってしまった。




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今から思えば、彼とゆっくり話したのはその時が始めてだったかも知れない。

斎藤さんは、大好きなお酒を、たくさん飲みながら、
私に、始めて赴任した日の事や、事務所で、朝、全員にコーヒーを入れてくれるという風習に、とても驚いたことを話してくれた。
私の地元は、九州の片田舎だったため、亭主関白、上司にお茶を入れる事は、入社して一番初めに、覚えるというのが当たり前だった。

どの会社にいっても、まず覚えるのは、周りのコーヒーの好み。

この人はミルクだけ、あの人はミルクと砂糖…。

そうやってカップとコーヒーを覚えつつ朝は一人ずつコーヒーをデスクに配り、人の名前を覚えるのが新人の仕事だった。

ごく普通に事務所の中では、毎朝、女性が皆のコーヒーをいれ、カップを洗う。

私達には普通の事だったけど、地域によっては、特別の事だったのかもしれない。

斎藤さんは、今まで、コーヒーなんか入れてもらったことはない!とびっくりしていた。

関東の方では、男性も女性も対等だから、そんなことしてたら怒られちゃうって笑っていた。

九州男児の多い地域ならではの、事だったのかもしれないが、私は別に嫌いではなかった。

そんな話をしつつ、斎藤さんは、私に、ふれてはほしくない事を切り出した。



※読んでいただき、ありがとうございました。