昼顔妻の七転び八起き

昼顔生活🌺5475日間

■妻として、母として…②

主人は、大工さんだった。

主人の父も大工さんだったんだ。

九州男児で、職人…。

響きは良いが、相当の亭主関白は予想できると思われる。

主人の父は…

お酒を飲むと暴れる人だった。


私の実家は、父が私の物心つく前に、お酒を辞め、酒乱なんて縁がなかった事もあり…。

結婚して…

一年後から主人の実家に同居することになってから、はじめて目の当たりにすることとなった。

主人の家は…

夕飯では、みな酒を飲む、タバコを吸う…が日常だった。

それは、産まれたばかりの子供が膝の上にいても同じだった。

私は…

それが一番嫌いだった。

同じ女性の義母でさえ、孫を抱いたままタバコを吸っていた。

主人の父は…。

酒が進み、どこかでスイッチが入ると暴れ出す。

けして、嫁の私や孫である子供には手を出さないけれど、

義母や、息子である主人には手を出す、テーブルをひっくり返す、包丁で追いかけ回す…

そんな姿を時々見かける度に、子供を連れて部屋へ隠れた。

早く騒動がおさまり、寝てくれる事を願った。

酒を飲んで暴れた翌日、決まって義父は大人しかった。

罪の意識なんだろうか、二日酔いからだろうか、

そんななら、酒なんか飲まなきゃ良いのに…。

私はいつも思っていた。

義父も悪いひとではなかった。

孫を連れて遊びに行くし、私の実家の外壁を修理したり、ごはんを作ったり…。

随分あとで知ることとなるが、義母よりも、私を大事にしてくれた。




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