昼顔妻の七転び八起き

昼顔生活🌺5475日間

■会社の飲み会で②

斎藤さんは、何気なく私にこう言った。

『お前、田神さんの事、ずっと好きだったよなー』


私は、動揺を隠して、返事をした。

『何の事だか、全くわからないけど〜。』

『斎藤さん、酔って変な事言い出したー』とサラッと流した。

すると、彼は…。

『オレは、お前をずーっと見てたから、お前が誰を見てたか知ってるんだ』

そう言って、彼はまた笑った。

私は、少し、酔ってしまったフリをしながら、斎藤さんとの会話を心地よく聞いていた。


もちろん、彼には、何人も飲み友達がいて、周りに何人も女の子がいて、私は斎藤さんに直接聞いた。

『斎藤さん、こっちにもたくさん彼女がいるでしょ〜?
単身赴任だからって、遊びすぎだよ』

すると、斎藤さんは…。

『俺はずーっと、お前が好きだったんだ。でも、お前は田神さんが好きだったからさ』

私は…。

驚きでいっぱいだった。





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※読んでいただき、ありがとうございました。

#飲み会 #心地よく #好き #居心地

■会社の飲み会で

定期的に行われていた会社の飲み会。

私も、気分転換によく参加していた。

田神さんがいなくなって、初の飲み会の時…。

どことなく、寂しくてそれが表情に表れてしまったのかもしれない。

順番に、ビールをついで回っていた斎藤さんが、私のところにもやってきて…

『のんでるかー?』
と声をかけた。

私は、適当に流すつもりで、『飲んでますよー』と返事し、彼が次に移るのを待っていた。


だけど、何故か、斎藤さんは私の隣にドンと座り込み、そのまま飲み始めてしまった。


私は…。

内心、面倒くさいなあ〜と思いつつ、横に座った斎藤さんの相手をすることになってしまった。




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今から思えば、彼とゆっくり話したのはその時が始めてだったかも知れない。

斎藤さんは、大好きなお酒を、たくさん飲みながら、
私に、始めて赴任した日の事や、事務所で、朝、全員にコーヒーを入れてくれるという風習に、とても驚いたことを話してくれた。
私の地元は、九州の片田舎だったため、亭主関白、上司にお茶を入れる事は、入社して一番初めに、覚えるというのが当たり前だった。

どの会社にいっても、まず覚えるのは、周りのコーヒーの好み。

この人はミルクだけ、あの人はミルクと砂糖…。

そうやってカップとコーヒーを覚えつつ朝は一人ずつコーヒーをデスクに配り、人の名前を覚えるのが新人の仕事だった。

ごく普通に事務所の中では、毎朝、女性が皆のコーヒーをいれ、カップを洗う。

私達には普通の事だったけど、地域によっては、特別の事だったのかもしれない。

斎藤さんは、今まで、コーヒーなんか入れてもらったことはない!とびっくりしていた。

関東の方では、男性も女性も対等だから、そんなことしてたら怒られちゃうって笑っていた。

九州男児の多い地域ならではの、事だったのかもしれないが、私は別に嫌いではなかった。

そんな話をしつつ、斎藤さんは、私に、ふれてはほしくない事を切り出した。



※読んでいただき、ありがとうございました。

■始まりは

昼顔の始まりは、そもそもどこだったか…。

とにかく、斎藤さんは、お酒が好きで、毎日、のみに出ていた。


単身赴任で知り合いが誰もいなかったのに、赴任して1ヶ月もする頃には、行きつけの居酒屋さんも、飲み仲間もたくさんできていた。

私が勝手に抱いていた都会の人のイメージ…

それは、ツンとすましていて、どこか、目線が必ず上からみてるような…。

田舎者を小馬鹿にしている…

絶対に自分は、こんな田舎の連中とは、馴染まないぞー!みたいな。


だけど、斎藤さんは違っていた。

すぐに、お友達もたくさん、

部下の人には、親しげに話しかける、場を和ませるために、気を使っている。

仕事に関しては、相変わらず、納得できない、いい加減さを持っていたけど、人懐っこい性格は、プライベートでは、いままで、私の周りにはいないタイプの人だった。

私がそんな表情を見かけるようになったのは、田神さんの事をあまり考えないようになってきた頃だった。





※読んでいただき、ありがとうございました。

■昼顔の彼①

私が田神さんに恋をしている頃…

後に、昼顔の相手となる所長の斎藤さんは…。

一言でいうと、傍目には、単身赴任を満喫していた。

出身が関東の方だったので、奥様は九州の片田舎には、ついて来ず、彼は一人で、会社から与えられたレオパレスの2DKのお部屋で生活していた。

赴任前から、夫婦仲は、こじれていたと、周りにもらしていた彼は、願ってもない単身赴任だったのかもしれない。

朝から夕方まで、会社で過ごし、帰宅後はアパートの近くの居酒屋さんで飲む。

休みの日には、録画したテレビを部屋で1日鑑賞し、一人のんびり過ごしていたようだ。

人懐っこい性格の彼は、すぐに行きつけの居酒屋となり、飲み友達も男女問わず、たくさんいた。

都会からきた、ちょっと周りにはいない明るい大人の男の人に、すぐに人が集まってきたようだ。

私の知ってる限り…
赴任後すぐに、職場内で、若い彼女を作った。

しかも一人ではなく、二人いた。

一人は20歳くらいの事務の女の子、隣の事務所で仕事していた子だ。

もう一人は部下である、小手川優子に似た面影のきれいめな20代後半の女の子。


同じ事務所内で仕事していたら、おもしろいように行動が分かった。

責任者という名の元にいたが、彼は、仕事に対しては、いい加減な面が多く、合間に女の子と遊びに行く約束をしていたり…
そんな姿を、よく見かけた。

同じ職場内で彼女が二人いると大変だ!

下手したら、二人がニアミスする事もあるし。

彼は、女の子にビデオの録画をお願いしたり、休みに部屋の掃除をしてもらったり、一緒にお酒を飲んだり…
うまく使い分けていた。

きっと、若い頃から、こうやって女の子が周りにきたんだろうなあ…と容易に想像できた。


その頃の私は、なんていい加減なんだろう、
このひとだけは嫌いだ…

早く東京へ帰ればいいのに…


私は強くそう思っていた。




※読んでいただき、ありがとうございます。

■ブログを書くということ

ブログを書くということは…

過去の自分と向かい合うこと。

随分前に、心の奥にしまい込んだ記憶が、鮮やかに一瞬でよみがえる…

懐かしい思い出もあれば、
苦しい思い出も。

悪夢でもみているような感覚に陥る…


あー、そうだ!

私はこの思いを一生抱えて生きて行くんだ。

あの時も、あの時も、
私は、そう思っていた。ふ


今は、たわいもない日常を、毎日、平凡に過ごせている。

たまには、その平凡がつまらなくさえ思える日がある。

それは、気付かないうちに、自分が幸せなんだなあと思われるが…
人は、自分の幸せに気付かない。

私も、きっとその一人だ…。


ただ、封じ込めていた自分の闇と向かい合うのは、苦しい…

それでもなお、自分を強くする為に、ブログを書こう。


いつか、私と同じ思いをする人がいなくなりますように。




※読んでいただき、ありがとうございます。

■妻として、母として…②

主人は、大工さんだった。

主人の父も大工さんだったんだ。

九州男児で、職人…。

響きは良いが、相当の亭主関白は予想できると思われる。

主人の父は…

お酒を飲むと暴れる人だった。


私の実家は、父が私の物心つく前に、お酒を辞め、酒乱なんて縁がなかった事もあり…。

結婚して…

一年後から主人の実家に同居することになってから、はじめて目の当たりにすることとなった。

主人の家は…

夕飯では、みな酒を飲む、タバコを吸う…が日常だった。

それは、産まれたばかりの子供が膝の上にいても同じだった。

私は…

それが一番嫌いだった。

同じ女性の義母でさえ、孫を抱いたままタバコを吸っていた。

主人の父は…。

酒が進み、どこかでスイッチが入ると暴れ出す。

けして、嫁の私や孫である子供には手を出さないけれど、

義母や、息子である主人には手を出す、テーブルをひっくり返す、包丁で追いかけ回す…

そんな姿を時々見かける度に、子供を連れて部屋へ隠れた。

早く騒動がおさまり、寝てくれる事を願った。

酒を飲んで暴れた翌日、決まって義父は大人しかった。

罪の意識なんだろうか、二日酔いからだろうか、

そんななら、酒なんか飲まなきゃ良いのに…。

私はいつも思っていた。

義父も悪いひとではなかった。

孫を連れて遊びに行くし、私の実家の外壁を修理したり、ごはんを作ったり…。

随分あとで知ることとなるが、義母よりも、私を大事にしてくれた。




※読んでいただき、ありがとうございます。

■妻として、母として①

結婚して6年。

27才、子供が三人。

主人は、建設業の自営をしていた。

その頃の私…。

毎朝、主人のお弁当を作り、家族の朝ごはんを作り…

掃除して、洗濯して、三人の子を保育園へ送って、自分自身も仕事へ…。

夕方、仕事終わりに、保育園お迎えに行き、買い物をして自宅に戻り、家事、夕飯、片付け…。

普通の主婦と全く変わらないバタバタとした時間を過ごしていた。

主人とは…。

すでに、好きとか、嫌いとかではない、家族になっていた。

と、いっても、所詮は他人。

考え方の違う部分は、所々あり、どちらかが歩み寄るという一般的家庭ではなく、我が家は、亭主関白のおうち。

全て、主人の言うことが正しいこととなり、ケンカしても、私の意見を聞いてもらえる訳もなく、反論すればするだけ、怒られる…

それは、元々、おとなしい性格の主人だったからか、普段は静かな人だった。


きっと、彼なりに、少しずつ我慢して、それが積み重なった時、お酒の力を借りて、爆発した。

帰宅後、機嫌の悪い日はすぐわかる。

夕飯も、子供と一緒にご飯を食べるが、会話はない。

お酒が進むにつれ、イライラが激しくなり…

スイッチが入ると、そこから一時間、二時間…

自分が気が済むまで、私を前に座らせ、グダグダと説教を始める。

内容は、たわいもないことだった。

部屋が片付けられてない、

帰ってきて風呂がわいてない、

ご飯ができてない…などなど。

手がでるわけではないが、物が飛んでくる。

はじまれば、終わるまで、

聞くしかなかった。

パートしてる、育児してる…は通用しない。

反論すれば、その分かえってくる。


何度か経験するうちに、私は…

反論することは止めた。

母として子供と楽しい時間を過ごせればいい…
いつしか、そう思うようになっていた。

傍目には、仲の良い家族…。

そう映ればいいと思っていた。

多分、きっと主人は
仲良し家族…だと思っていたはずだ。



※読んでいただき、ありがとうございました。